御挨拶
前会長の鹿嶋浩愛知県立岡崎聾学校前校長からこの職を引き継ぐに当たり、自身の力不足を痛感するばかりですが、本研究会の皆様や事業などを通して私自身も育てていただきました。聾教育の魅力や難しさ、仲間や他校の先生と語り合えた喜びなど、多くのことを学ばせていただきましたので、自分のできることに力を注ぎたいと考えました。もとより微力ではございますが、副会長、全理事、事務局並びに会員の皆様とともに、全日本聾教育研究会の発展のために、精一杯務めを果たしてまいりますので、皆様方からの一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
本研究会は、昭和四十二年に産声を上げました。全国の聾学校(聴覚障害者である幼児児童生徒を対象とする特別支援学校を含む)や大学、研究機関等から約四〇〇〇名の教職員と聴覚障害教育担当者が参画する日本最大規模の聴覚障害教育の研究会です。
また、本研究会は、各地区聾教育研究会を単位団体として組織しており、「加盟団体相互の連絡を密にし、教育に関する諸研究を推進し聾教育の向上発展を図る」ことを目的としています。
全国の聾学校の在籍者数が減少傾向であることから、学級数や教員数も減少しており、校内の教員間で聾教育について伝えたり、学び合ったりしにくい状況になっていることを感じます。特に、聾学校の多くは県に一〜二校の設置であり、教員間・学校間の日常的な行き来ができません。
このため、本研究会で行っている全国研究大会や地区研究会が、聾教育の専門性向上に大きな役割を果たしています。
聴覚障害のある子ども達や教育を巡る状況は、補聴器機や医療技術の進歩、障害の重度・重複化や多様化、通信・情報機器の発展、手話言語条例を機とした社会の関心の高まりなどと関わって、変化しています。
聾教育においては、先達の授業実践や研究を通して、子ども達のもてる力を最大限に伸ばす、すなわち可能性を追求してきた経緯があります。
それだけではありません。令和二年から続いたコロナ禍においては、全国大会を止めずにオンラインでの開催やオンデマンドにより多くの視聴を得るなどの創意工夫がなされてきたところです。こうした研究会の在り方自体を追求し、教員間の学びを止めずにきたことは、関係の先生方のご努力の成果であり、聾教育にとっての大きな財産であること考えます。研究会を運営する主管校や地区、それを支える事務局などが協力し合って研究会開催の可能性を追求する・・・。それが、聾教育の発展に寄与していることを強く感じています。
令和五年度は、奈良県立ろう学校を主管として五十七回目の全国大会が開催されます。奈良大会のテーマは、「ゆたかな知恵を育むろう教育」です。新型コロナウィルス感染症の流行、経験したことの無い猛暑の連続など、予測していなかったことに対応する力が求められる時代です。
奈良大会のテーマは、ことばや知識を子ども自身の経験と関連付け再構築していく学習活動を通して、授業以外で活用できることばや知恵へと深めていくという視点で授業改善にチャレンジする研究だと理解しております。
こうした研究は、子ども達の可能性を追求すると同時に、教員の授業実践の可能性を追求するものであると考えます。奈良大会で多くの参加者が自ら質問したり、意見を述べたりし、活発な議論がなされることを強く期待しております。
最後になりますが、本部事務局におきましては、集合型の開催が突然難しくなった折の参加費等の補填や大会終了後の記念講演の配信などにおいて大会事務局をサポートさせていただいております。このように、今後につきましても研究会を推進するべく取り組んでまいりますので、建設的なご意見や疑問等がございましたら、本部事務局までお知らせいただきますようお願い申し上げます。
〒272-8560
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(筑波大学附属聴覚特別支援学校内)
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事務局長:鎌田ルリ子
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情報提供
全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会のホームページ