本大会は終了しました
1.大会名称 第41回全日本聾教育研究大会(熊本大会)
2.大会主題 「授業実践及び実践的研究を通して聾教育の充実・発展を図る」
(設定理由)
本研究会は,昭和42年に開催されて以来,聾教育における日常的・現実的な諸問題について,授業実践及び実践的研究内容を通して協議し,その成果を各地区・各学校と共有し,この教育の充実・発展への役割を担ってきた。
平成17年12月,中央教育審議会から「特別支援教育を推進するための制度のあり方について」(答申)が出され,特殊教育から特別支援教育への制度改革が明確になり,盲・聾・養護学校から特別支援学校への移行と共に,センター的機能の充実等が求められている。
この答申の内容は,多くの聾学校が解決していかなければならない課題である。特に聾学校においては,幼児児童生徒数の減少,特別支援学校(仮称)化への動きや小・中学校等への支援機能の充実に関して,十分な準備をして対応していかなければならない。その際,聾学校の名称については存続するとしても,改めてこれまでの教育の成果を確認し,さらに充実させなければ,聾学校という名称が象徴していた聴覚に障害のある子どもたちへの教育の専門性の継承・発展も危惧される。
本大会では,これらの課題に,より効果的に対応し,一人一人の教育的ニーズに応じた教育支援を進めるため,教育の原点ともいうべき授業実践及び実践的研究に焦点を当て,聾教育を充実・発展させていくことを目指して本主題を設定した。
3.会期 平成19年10月3日(水)〜5日(金)
4.会場 熊本県立熊本聾学校
(予定) 熊本市民会館 国際交流会館 産業文化会館
交通センターホテル アークホテル チサンホテル
リバーサイドホテル 三井ガーデンホテル 東急イン
5.主催 全日本聾教育研究会 九州地区聴覚障害教育研究会
6.主管校 熊本県立熊本聾学校
7.後援 文部科学省 熊本県教育委員会 熊本市教育委員会
(予定) 福岡県教育委員会 佐賀県教育委員会 長崎県教育委員会
大分県教育委員会 宮崎県教育委員会 鹿児島県教育委員会
沖縄県教育委員会 全国聾学校長会 九州地区聾学校長会
熊本県特殊教育諸学校長会 全国聾学校教頭会
九州地区聾学校教頭会 全国特殊学校長会
全国聾学校PTA連合会 九州地区聾学校PTA連合会
全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会
財団法人聴覚障害教育研究協議会 財団法人全国心身障害児福祉財団
財団法人熊本県聾者福祉協会 熊本県手話サークル「わかぎ」
熊本県手話通訳問題研究会 熊本県聴覚障害児・者親の会
8.大会日程及び内容等
9.アトラクション(予定)
くまろうソーラン(小学部) 手話落語(中・高等部)
10.開会式次第
(1) 開式の辞 全日本聾教育研究会副会長
(2) 挨拶 全日本聾教育研究会会長 熊本大会実行委員会委員長
(3) 祝辞 文部科学省初等中等教育局 熊本県教育長
(4) 来賓紹介 九州地区聴覚障害教育研究会副会長
(5) 閉式の辞 全日本聾教育研究会副会長
11.学部・寄宿舎研究会
助言者 幼稚部:松本末男(筑波大学附属聾学校 幼稚部主事)
小学部:鳥越隆士(兵庫教育大 教授)
中学部:小田侯朗(独立行政法人 国立特殊教育総合研究所教育支援研究部総括研究員)
高等部:市橋詮司(元岡崎聾学校長・現東海医療福祉専門学校 講師)
寄宿舎:熊本五年(元福岡高等聾学校長)
12.研究協議分科会テーマ,テーマ設定の理由,担当校,座長一覧
番号 | 分科会名 | 分科会テーマ | 担当校 |
分科会設定の理由 | 座長 | ||
1 | 総合的諸問題 | 「聴覚障害児教育の現状と課題を明らかにし,その解決に向けて聾学校の在り方やこれからの聴覚障害教育の方向性について考える。」 | 沖縄ろう学校 |
今日,幼児・児童・生徒一人一人が「自分たちの未来を切りひらく力を育む」ために,たくましく生きる力が求められている。聴覚障害教育が抱えている諸問題を明らかにし,総合的,多面的な視点から,今後の聴覚障害教育の在り方について研究する。 | 佐藤正幸 (筑波技術大教授) |
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2 | コミュニケーション | 「聴覚障害児(者)にとってのコミュニケーションとは何かを探り,生きる力の基礎となるコミュニケーション能力を高める指導・支援の在り方について考える。」 | 佐賀ろう学校 |
聴覚障害児(者)にとってコミュニケーションという課題は大きい。社会に出ていかにコミュニケーションを図るかという課題から,障害を併せ有する子どもがいかにして他者と意志疎通を図るかという課題まで幅も広い。また少人数化の中,生徒同士のコミュニケーションをどのように保障していくかという課題もある。子どもたちへの情報を保障するため,子どもたちの手話環境を整えるための職員の手話力向上という課題についても論議したい。 | 小田侯朗 (独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 教育支援研究部総括研究員) |
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3 | 自立活動T (日本語の読み書き) |
「日本の社会の中で生きていく上で必要な日本語を読んだり書いたりする力を育成する指導法の在り方を考える。」 | 直方聾学校 |
自立活動の言語指導の分野,教科指導・国語を統合した分科会として設定する。 聴覚障害教育において,子どもたちに日本語の読み書きの力をつけることが一番大切な課題であると考え,国語科の指導に限定せず,自立活動の指導,毎日の日記指導,作文指導など,総合的な取り組みとして実践研究を報告し合う。 |
鳥越隆士 (兵庫教育大教授) |
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4 | 自立活動U (聴覚活用・聴覚補償工学) |
「子どもの保有する聴覚を最大限に活用し,主体的な聴覚学習を進めるための工夫や,機器及び情報システム等の効果的な使用について考える。」 | 小倉聾学校 |
近年,電子機器の急速な発展に伴い,聴覚活用の可能性を広げる様々な機器や情報システムが日々開発されている。このような社会の中で,主体的な聴覚学習を進めるための効果的な方法や聴覚関連機器及び情報システムに関する内容を整理する必要がある。子どもの自立に向けた支援の在り方について,実践を通して研究する。 | 立入哉 (愛媛大学教授) |
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5 | 自立活動V (障害認識) |
「聴覚障害児の自己肯定感を高める『障害認識』の在り方と教師の障害認識に基づいた指導の方法について考える。」 | 福岡聾学校 |
聴覚障害児が聞こえない者としてありのままに誇りを持って生きていける「障害認識」を育てる指導について情報交換し研究する。 | 西垣正展 (滋賀聾話学校教諭) |
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6 | 早期教育T (3歳未満) |
「今日の新生児聴覚スクリーニングによる早期教育支援体制の充実や人工内耳装用児,重複障害児の増加等による多様な教育的ニーズへの対応が必要な現状を踏まえ,これからの早期教育の在り方を考える。」 | 久留米聾学校 |
新生児聴覚スクリーニングが推進されている状況で,よりよい親子関係を作り上げていくための支援の在り方について考える。 | 南村洋子 (大塚ろう学校講師・早稲田大学非常勤講師) |
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7 | 早期教育U (幼稚部教育) |
「幼児が主体性を発揮し,生き生きと活動できる保育環境について考える。」 | 長崎ろう学校佐世保分校 |
幼児は遊びを通して自ら人や物に働きかけ,人との関わり方や物の扱い方など様々なことを学んでいく。幼児はその中で興味・関心を持って,生き生きと活動しながら,想像力と思考力を高めていく。そこで,一人一人がよさを発揮し,意欲を持って活動できるような環境の充実と支援の在り方について考える。 | 松本末男 (筑波大学附属聴覚特別支援学校 幼稚部主事) |
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8 | 学力の保障 (教科指導) |
「幼児・児童・生徒が自ら学び,継続して基礎的な学力を伸ばせるための学部・学校としての在り方,及び授業の在り方について考える。」 | 延岡ろう学校 |
聾学校の幼児・児童・生徒数の減少により聾学校の存在意義が改めて問い直されている今,子どもたち一人一人の実態や能力に応じながら着実に学力をつけさせていくことは全国的な課題である。よって従来の各教科における指導の在り方に,学部・学校全体での指導体制や環境の整え方等も加え,聾学校における学力向上のありようについて多角的な視点から研究する。 | 市橋詮司 (元岡崎聾学校長・現東海医療福祉専門学校 教務部長 言語聴覚学科長) |
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9 | 総合的な学習の時間 | 「子どもの生きる力の育成を目指し,創意工夫した取組,活動の在り方を考える。」 | 都城ろう学校 |
『総合的な学習の時間』が設けられて6年が経過した。この間に各校においては,児童生徒の実態や発達段階に応じた様々な取り組みが行われてきた。そこで,取り組みの内容や評価方法を報告し合い,聾学校としての「総合的な学習の時間」の在り方について考える。 | 青山尚友 (都城ろう学校長) |
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10 | 重複障害教育 | 「障害を併せ有する聴覚障害児の,それぞれのニーズに応じた指導・支援の在り方を考える。」 | 鹿児島聾学校 |
障害を併せ有する子どもたちの社会自立に向けた課題は様々である。情報の受信や発信を中心とするコミュニケーション能力の獲得,基本的な生活習慣の確立,進路指導や就職,保護者との連携など,聴覚障害教育における課題を明らかにするとともに,それぞれの課題をどう解決していくかを考える。 | 蓑毛良介 (鹿児島国際大学教授) |
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11 | キャリア教育 (進路指導) |
「進路指導からキャリア教育へ。聾学校でのキャリア教育の在り方を考える。 | 福岡高等聾学校 |
近年,聴覚障害者が社会のいろいろな分野で活躍するようになってきた。しかし,聾学校高等部卒業生の就職先は今でも製造業が多く,3年以内の離職率も高い。これは従来の進路指導が卒業後の生き方・在り方にまでふれていないことが原因の一つである。現在学校の進路指導は,卒業後のライフステージをも包括するキャリア教育へと形を変えてきつつある。キャリア教育は他人とのコミュニケーション方法や余暇の過ごし方なども含めたもので,聾学校の生徒が社会生活に移行するためには特に必要なことである。この分科会では従来の進路指導から一歩進んだキャリア教育の聾学校での在り方について考えるものである。 | 吉川勝弘 (福岡高等聾学校長) |
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12 | 寄宿舎教育 | 「舎生が自分の将来を見据え,自立し,豊かに生きるための,個に応じた寄宿舎教育の在り方を考える。」 | 福岡高等聾学校 |
寄宿舎は舎生たちが自分らしく社会生活を送れる力を,個々のニーズに応じて獲得できるように支援し,また,卒業後は生活基盤を築き自立と社会参加を培うことができるように教育を行っている。一方,寄宿舎指導員は急激に変化している現代社会の中で,舎生たちがその中でも社会にあった考え方や豊かな生活が送れるように,職員自らが専門的知識を深め,また技能を向上させることが求められている。本分科会では実践報告を通して,これからの寄宿舎での指導・支援の在り方について研究していきたい。 | 熊本五年 (元福岡高等聾学校長) |
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13 | 情報保障 | 「聴覚障害児(者)の立場に立った情報保障の在り方を考える。」 | 熊本聾学校 |
情報機器の発達により情報保障が進んできているが,聞こえない人の立場に立った情報保障ができているのか,発信した情報が確実に伝わっているのか等,取り組みの検証が必要である。 | 白澤麻弓 (筑波技術大学准教授) |
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14 | センター的役割 | 「聾学校に期待されるセンター的な役割について,各校の取り組みを報告し合い,今後の聾学校における支援の在り方を考える。」 | 大分聾学校 |
特別支援教育への流れの中,地域の小中学校に在籍する聴覚障害児・生に対する支援,また他の障害を持つ子どもたちへの支援等,聾学校の役割が問われている。聾学校が専門性を生かしながら,地域の学校を積極的に支援するための在り方を考える。 | 松原太洋 (北九州高等学園教頭) |
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15 | 個別の教育支援計画 | 「聴覚障害のある子ども達一人一人のニーズに合った教育支援計画の在り方,具体的な支援の方法や関係諸機関との連携等の在り方について考える。」 | 長崎ろう学校 |
各校,試行錯誤の中で取組を開始し,3年を経ようとしている。この機会に,その成果と課題を分析し検討することは,今後の充実と発展のために意義があることである。 | 松田芳晴 (長崎県教育センター主任指導主事 |
13.「家庭教育を考える部会」(予定)
14.パネルディスカッション
テーマ「これからの聾教育はどうあるべきかーそれぞれの立場からの提言ー」
コーディネーター :小田侯朗(独立行政法人国立特殊教育総合研究所
教育支援研究部総括研究員)
パ ネ リ ス ト :立入 哉(愛媛大学 教授)
南村洋子(大塚ろう学校講師・早稲田大学非常勤講師)
西垣正展(滋賀聾話学校教諭)
市橋詮司(元岡崎聾学校長・現東海医療福祉専門学校 教務部長 言語聴覚学科長)
15.閉会式次第
(1) 開式の辞 全日本聾教育研究会副会長
(2) 挨拶 全日本聾教育研究会会長 熊本大会実行委員会委員長
全日本聾教育研究会副会長(次期開催校)
(3) 閉式の辞 全日本聾教育研究会副会長
16.大会参加費 会員 4,000円 非会員 5,500円
17.研究集録費 冊子1部 4,000円
18.大会参加及び研究集録の申し込み
別紙「大会参加申込書」に必要事項を記入して,熊本大会事務局までファックス(郵送可)でご返送ください。 申込〆切 平成19年6月4日(月)
19.大会参加費・研究集録費の納入
大会参加費及び研究集録代は,指定口座へ,7月27日(金)までにお振り込みください。 なお,振込手数料は振込者負担でお願いします。詳しくは大会通信でお知らせします。
20.研究発表原稿の提出
研究発表をされる方は,別紙「研究集録掲載用原稿執筆要項」を参照の上,「申込用紙」 に必要事項を記入して,ファックスまたは郵送で,ご提出ください。
また,研究発表原稿(研究集録掲載用原稿)は,メールまたは郵送でご提出ください。
(1)申込用紙の提出〆切 平成19年6月 4日(月)必着
(2)研究発表原稿の提出〆切 平成19年6月29日(金)必着
21.展示・販売
<展示>申込は平成19年6月まで。事前に,大会事務局までご連絡ください。展示スペー スの関係上,ご要望に添えない場合もありますので,ご承知おきください。
<販売>会場の都合上,実施いたしません。
22.宿泊・昼食の斡旋・申込み
下記旅行業者で,斡旋いたします。同封の資料をご覧の上,所定の申込用紙に必要事項を記入し,旅行業者へファックスで申し込んでください。
申込〆切 平成19年8月31日(金)
なお,大会事務局へのお問い合わせは,お受けできませんのでご了承ください。
<旅行業者>ユニオントラベル熊本 担当者: 吉田 伸貴 TEL:096−371−2022 FAX:096−363−2866 |
23.大会通信第3号の発送予定 平成19年9月上旬
・参加確認書,領収書 ・熊本大会実施要項(研究協議分科会一覧・交通機関案内等)
24.大会ホームページ
熊本聾学校のホームページを参照(略)
25.大会事務局及び連絡先
第41回全日本聾教育研究大会(熊本大会)事務局 〒862-0901 熊本県熊本市東町3丁目14−2(熊本県立熊本聾学校内) TEL 096−368−2135 FAX 096−368−2137 E−mail (担当) |