第53回 全日本聾教育研究大会(高岡大会)



  大会名称     第53回全日本聾教育研究大会(高岡大会)
 
      2 大会主題     未来の創り手となる聴覚障害児の「生きる力」を育む教育を考える

~心と言葉を育み 子供たちが自ら人生を切り拓くために~

【主題設定の理由】

グローバル化,情報化の波を受け,社会は加速度的に変化し続けている。知識基盤社会といわれる現代では,満ちあふれる情報の中から何を選び,どう活用するかといった情報の取捨選択が生活の一部となってきた。

インクルーシブ教育システム,手話言語条例,合理的配慮等,聴覚障害児を取り巻く環境もまた例外ではない。新生児聴覚スクリーニングによって早期に聞こえにくさを告知された子供の保護者は,子供のよりよい成長を願い,どのように情報を保障するのか,どのようなコミュニケーション手段を使うのか,どこに教育の場を求めるのか等,成長の節目節目に情報を集め選択を繰り返す。その結果,特別支援学校に在籍する聴覚障害児の数が減少する一方,子供たちの実態はこれまでにもまして多様化してきている。そして,学校現場では,従来の「言語指導」「教科指導」に加え,ICTの活用,保護者のニーズの多様化等に対応した新たな専門性が求められている。

平成30年度(2018年度)から順次実施される新しい学習指導要領では,学習する子供の視点に立ち,育成すべき資質・能力の三つの柱を以下のように示している。

「何を理解しているか,何ができるか(生きて働く「知識・技能」の習得)」

「理解していること・できることをどう使うか(未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成)」

「どのように社会・世界と関わり,よりよい人生を送るか(学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵養)」

またこれらは,「主体的・対話的で深い学び」を通して育成されるものであると提唱している。

子供が自ら課題を見付け,考え,調べ,話し合い,解決していくためにまず必要なのは,自然や社会との関わりの中で自身の存在を認められることである。自己有用感を高めた子供は,もっと知りたい,もっと伝えたいという意欲がふくらみ,主体的な活動に向かう。そして次に必要となってくるものは,考えたことや伝えたいことを論理的に整理し,表出する手段としての言語力である。そのような心と言葉を育んでこそ聴覚障害児(者)は,自ら人生を切り拓き,「生きる力」を確かなものにするのではないかと考える。

本大会では,社会の変化や多様性を受け入れつつ,それでもなお聴覚障害児教育に求められる心と言葉を育むための指導が真の「生きる力」につながると考え,本主題を設定した。


 

3 会 期       (2019年)10月17日(木)~18日(金) 2日間

 

4 会 場

公開・指定授業

高岡会場:富山県立高岡聴覚総合支援学校 〒933-0824富山県高岡市西藤平蔵700 

富山会場:富山県立富山聴覚総合支援学校 〒930-0817富山県富山市下奥井1-9-56

                          

授業研究分科会・研究協議分科会

ホテルニューオータニ高岡 〒933-0035 富山県高岡市新横町1        

ソラエ高岡        〒933-0021 高岡市下関町4-56(2F高岡市医師会事務局)     

ウイング・ウイング高岡  〒933-0023 富山県高岡市末広町1-7

複合ビルです。この中に,研修室,志貴野高校,男女平等推進センター等があります。

 

  5 主 催

全日本聾教育研究会        北陸地区聾教育研究会

 

6 主管校 
      
富山県立高岡聴覚総合支援学校

7 協力校

(北陸地区聾学校5校)

新潟県立新潟聾学校

新潟県立長岡聾学校

富山県立富山聴覚総合支援学校石川県立ろう学校

福井県立ろう学校

 

8 共催・後援

文部科学省

富山県教育委員会

高岡市教育委員会

全国聾学校長会

全国聾学校教頭会

全国特別支援学校長会

北陸地区聾学校長会

北陸地区聾学校教頭会

富山県特別支援学校長会

全国ろう学校PTA連合会

社会福祉法人全国心身障害児福祉財団

小川再治研究協賛会

全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会

公益財団法人聴覚障害者教育福祉協会

公益財団法人富山県教育公務員弘済会

 

9 大会日程及び会場
(1)日程

 

月 日

        

                                             

前日

13:3015:00

全日本聾教育研究会全理事会

10/16

15:10~16:00

大会運営委員会

(水)

16:30~17:00

授業研究会打ち合わせ(助言者・司会者・記録者)

第1日

10/17

()

高岡会場
(場所:高岡聴覚総合支援学校)

富山会場
(場所:富山聴覚総合支援学校)

8:30

受付

8:30

受付

9:00

公開授業(幼・小・中・高)

         9:00

公開授業(幼・小・中・高)

10:00

指定授業(幼稚部・中学部)

10:00

指定授業(小学部・高等部)

11:0012:20

昼食・休憩

11:0012:00

移動(バスで会場へ)

12:2013:00

移動(バスで会場へ)

12:0013:00

昼食・休憩

13:0014:30

授業研究分科会(場所:イングウイング高岡,ホテルニューオータニウ,高岡ソラエ高岡

14:3015:00

移動(徒歩)

15:0015:30

開会式  (場所:ウイング・ウイング高岡  4Fホール)

15:3017:00

記念講演

17:0017:30

研究協議分科会打ち合わせ(座長・運営責任者・会場係)

第2日

10/18

()

9:00

受付  (場所:ウイング・ウイング高岡)

9:3012:00

研究協議分科会

12:0013:00

昼食・休憩

13:0016:00

研究協議分科会

16:00

閉会行事(各分科会ごとに実施)




(2)会場

 ➀授業研究分科会(大会1日目)10月17日(木)

 

 

分科会

                                  

幼稚部

ホテルニューオータニ高岡

小学部

ソラエ高岡      2F会議室

中学部

ホテルニューオータニ高岡

高等部

ウイング・ウイング高岡  5F研修室



 ➁研究協議分科会(大会2日目)10月18日(金)場所:ウイング・ウイング/ソラエ

 

分科会

                              

 

早期教育Ⅰ(乳幼児)

研修室

502

早期教育Ⅱ(幼稚部)

研修室

501

言語・教科指導Ⅰ(小学部)

志貴野高校

総合実践室

言語・教科指導Ⅱ(中学部・高等部)

志貴野高校(地区センター)

学習室

寄宿舎教育

男女平等推進センター

会議室

自立活動(障害認識・コミュニケーション・キャリア形成)

ソラエ高岡

会議室

自立活動Ⅱ(聴覚活用・補聴機器)

研修室

503

センター的機能

ソラエ高岡

2F研修室

重複障害教育

創作工房

504B

 

10 記念講演

(大会1日目)1017()15:3017:00:ウイング・ウイング高岡 4階ホール

[講師]     我妻  敏博 氏  (上越教育大学名誉教授)

[演題]     「語彙・文法の指導を考える」

~ 我妻    敏博  氏のプロフィール ~

東北大学大学院修士課程修了。「聴覚障害児の文理解に関する研究」で博士号(教育学)を取得。国立特殊教育総合研究所研究員,上越教育大学講師,助教授を経て,2000年~2016年度まで上越教育大学教授。

著書・論文は,「聴覚障害児の文理解能力に関する研究」「聴覚障害児の言語指導-実践のための基礎知識」等多数。

 


11 設定分科会

(1)授業研究分科会

 

全校テーマ(北陸地区聾教育研究会テーマ)

「心と言葉を育み 一人一人が生き生きと学ぶための支援の在り方」

学部テーマ

分科会

研究テーマ

助言者

幼稚部

達成感や満足感が得られる活動の充実とその思いを表出する力を育てるための支援の在り方

信州大学

教授   庄司 和史 氏

小学部

分かる喜びを感じ,主体的に学ぶための支援の在り方

筑波大学附属聴覚特別支援学校

江口 朋子 氏

中学部

主体的に社会参加し,生きる力につながる心と態度を育てるための支援の在り方

筑波技術大学

教授   長南 浩人 氏

高等部 社会の一員として主体的に生きる力を高めるための支援の在り方  金沢大学
  教授  武居  渡 氏

(2)研究協議分科会

分科会

協議主題(分科会テーマ)

座長(助言者)

主題設定の理由

運営担当校

早期教育

(乳幼児)

乳幼児の健やかな発達と親子の望ましい関係づくり

筑波大学

教授  松本 末男 氏

乳幼児が心身共に健やかに成長するための土台は,親子関係である。望ましい関係を確立し,乳幼児の発達を促すための支援について研究する。

新潟県立長岡聾学校

 

早期教育

(幼稚部)

心と言葉を育むための環境づくりと豊かなコミュニケーション・言語発達

信州大学

教授  庄司 和史 氏

幼児は,周囲の人々やものと主体的に関わる中で,興味・関心の幅を広げ,意思を伝え合う喜びを知る。豊かなコミュニケーション・言語発達を促すための環境づくりと言葉の指導について研究する。

福井県立ろう学校

言語・教科指導

(小学部)

基礎的・基本的な学力とそれを支える言語能力の育成

東北福祉大学

教授 大西 孝志 氏

小学部では,基礎的・基本的な学力の定着が重要である。全ての教科等における資質・能力の育成や学習の基盤となる言葉と,それに支えられた学力を確固としたものにするための指導について研究する。

新潟県立新潟聾学校

言語・教科指導

(中学部・高等部)

学力の伸長と思考力・判断力・表現力を支える言語能力の向上

筑波技術大学

教授 長南 浩人 氏

中学部・高等部では,学習内容が抽象化しより高度な思考力・判断力・表現力が求められる。言語能力に支えられた学力を伸長させるための指導について研究する。

富山県立高岡聴覚総合

支援学校

寄宿舎教育

多様なニーズに対応する寄宿舎教育の在り

大阪教育大学

教授 井坂 行男 氏

 

集団生活を通し,豊かな人間性と社会性を育む場として,寄宿舎は重要な役割を担っている。将来の自立した生活に必要な力を育む指導や支援について研究する。

新潟県立長岡聾学校

自立活動

(障害認識・コミュニケーション・キャリア形成)

自立と社会参加に向けた段階的,系統的な指導の在り方

金沢大学

教授 武居 渡 氏

卒業後に向けては,自立し社会参加する資質を養うことが求められる。個々の実態に即した段階的,系統的な指導内容や方法について研究する。

福井県立ろう学校

自立活動

(聴覚活用・補聴機器)

補聴機器や補聴援助システム等を利用したよりよい聴覚学習の在り方

同志社大学

准教授 中瀬 浩一 氏

保有する聴覚を最大限に生かすには,補聴機器や補聴援助システム等を有効に活用して聴覚学習を進めることが重要である。必要な情報を主体的に獲得し,利用するための指導内容や方法について研究する。

富山県立富山聴覚総合

支援学校

センター的機能

聴覚障害児教育について特別支援学校が期待されるセンターとしての役割

東京学芸大学

教授 濵田 豊彦 氏

居住する地域の学校で学ぶ聴覚障害児が増えている。全ての聴覚障害児がよりよい指導や支援を受けるために,特別支援学校の果たすべき役割と地域や関係諸機関との連携の実際について研究する。

石川県立ろう学校

重複障害教育

一人一人の障害の状態や発達段階,教育的ニーズに応じた指導や支援の在り方

上越教育大学

准教授 小林 優子 氏

障害の重度・重複化,多様化が言われて久しい。障害を併せ有する聴覚障害児のニーズに対応したきめ細かな指導や,卒業後も充実した生活を送ることができるようにするための支援の在り方について研究する。

新潟県立新潟聾学校

 

12 開会式次第

(1)開会

(2)挨拶        全日本聾教育研究会会長

高岡大会実行委員長(北陸地区聾教育研究会会長)

(3)来賓挨拶 

文部科学省初等中等教育局特別支援教育課

特別支援教育調査官富山県教育委員会教育長

全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会会長

(4)来賓紹介  北陸地区聾教育研究会副会長

(5)閉会

(6)諸連絡     大会事務局



13 閉会行事次第(各研究協議分科会ごとに実施)

(1)開会

(2)挨拶        全日本聾教育研究会会長

高岡大会実行委員長(北陸地区聾教育研究会会長)全日本聾教育研究会副会長

(次年度主管校)

(3)閉会

 

14大会参加費  

       会員 2,000円 会員外 3,500円

 学生2,000円  (参観という形での参加)


15研究発表     

研究協議分科会の研究発表の資格は会員であることとします。

なお,地区研究会に所属していない大学教員等は,本部事務局が対応,掌握の上会員の資格を得てください。
発表件数が多い研究協議分科会においては発表時間を十分に設定できない場合があります。何卒ご了承ください。




16 大会参加・宿泊等の申込

申込内容

締切日

申込・送付先

大会参加申込み

研究発表申込み

2019610()

 

昼食・シャトルバスの

申込み

2019610()

 

研究発表原稿提出締切

2019715()

 



17 自然災害時における対応について

(1)気象警報が発令された場合も,原則として大会は実施します。

(2)気象警報が発令され臨時休業になった場合は,幼児児童生徒は登校しません。そのため公開授

業は中止とないますが,指定授業については,事前に撮影した授業ビデオをご覧いただく予定

です。

(3)公開授業が中止となる場合は,受付時間等が変更になります。

(4)警報等の情報につきましては,富山県立高岡聴覚総合支援学校HPをご覧ください。

 

 

18 その他

参加・販売・展示等の申込みについては,平成31年4月配信予定の「大会通信第2号」で詳細をお知らせします。

 

19 大会事務局及び連絡先

第53回全日本聾教育研究大会(高岡大会)事務局

933-0824 富山県高岡市西藤平蔵700
(富山県立高岡聴覚総合支援学校)
TEL      0766-63-6385    FAX      0766-63-5884
E-mail   takaokar-ed@tym.ed.jp